葬儀の知恵袋(コラム)

2022年9月30日(金)

  • 葬儀

お通夜の流れやマナーを解説

お通夜には流れやマナーがあります。

お通夜というと読経や焼香が行われる「通夜式」だけを想像するかと思いますが、実際には通夜当日から終了後までの一通りの流れがあります。

また、服装や髪型、持ち物、香典に関するマナーも存在します。

今回ご紹介する内容によって、不安が払拭されましたら幸いです。

お通夜にはどんな意味があるの?

「夜」「通」という漢字が使われていることからも想像できるかもしれませんが、「お通夜」は故人を「夜通し」見守っていたことから、その名前が付いたという説があります。もともとお通夜は一晩中行われていましたが、現在では1〜2時間程度で終了する「通夜式」が主流です。

夜通しお通夜を行っていた理由の一つには、仏教の教えがあります。仏教では、冥土を旅する故人の唯一の食料が「線香の香り」だとされているため、線香を絶やさないようにお通夜を行っていたことが考えられます。

また、現在のように医療が発達していなかった時代は死亡診断の正確性が乏しく、亡くなったと診断された方が実は生きていたということがあったため、夜通し故人を見守っていたという説もあります。

そのような時代のお通夜は、現在のように一般参列者が参列する儀式ではなく、ごく近しい間柄の方のみが参列していました。

現在でも宿泊が可能な施設では、昔からの風習に習い線香やロウソクの火を灯し続ける「寝ずの番」を行うこともありますが、長時間灯るろうそくや12時間以上燃焼する渦巻き線香を利用して就寝することが多くなっています。

一般的なお通夜の流れ

「お通夜」というと読経や焼香が行われる「通夜式」を想像する方が多いかもしれませんが、ここでは通夜当日の準備から通夜式終了後までの流れをご紹介します。

1.自宅にて湯灌(ゆかん)・納棺

湯灌は故人様のお体を清める行為で、アルコール綿を使用する「古式湯灌」と、シャワーや湯船を使用する「洗体湯灌」があります。お体を清めた後は、着替えや死化粧を行います。自宅で湯灌を行うことが難しければ、葬儀会場に移動してから行う場合もあります。湯灌終了後、故人様をお棺に納めます。

2.自宅出発

お棺を搬送車に乗せて葬儀式場に移動します。

3.式場到着・通夜式の準備

式場到着後、お棺を安置します。
送られた供花・供物の並び順を整えるなどして、通夜式の準備をします。

4.受付開始

通夜式は一般的に17時~18時頃に開始となります。コロナ禍となる以前は、一般参列者の受付は開式30分前から行われていましたが、現在では随時焼香(通夜式には参列せず、開式前の限られた時間内に焼香を行うこと)とするケースも珍しくありません。
親族として通夜式に参列する場合は、一般参列者の受付開始時間よりも早め(開式1時間前)には、会場に到着するように心がけましょう。

5.式場内着席

参列者は着席し、開式を待ちます。

6.通夜開式

僧侶の読経、焼香などを行い、故人の冥福を祈ります。

7.通夜閉式

通夜式自体は30分〜1時間ほどで終了となります。

8.通夜振る舞い

通夜式終了後は通夜振る舞い(会食)を行います。食事やお酒を振る舞うことで参列者に対して感謝の気持ちを表します。

9.告別式の内容確認

翌日行われる告別式のタイムスケジュール、焼香順等について、喪主と葬儀社が確認を行います。

お通夜のマナー

服装マナー

現在の通夜式では、遺族も参列者も喪服を着用することが一般的です。以下に服装マナーをご紹介します。

男性

・喪服(ブラックフォーマル)
・白無地のシャツ
・黒無地のネクタイ
・黒無地の靴下
・本革または合皮で、飾りや光沢のない黒の紐靴
※ブラックフォーマル:冠婚葬祭に適した衣服。黒が濃く、上質な生地が使われています。

女性

・喪服(ブラックフォーマル)
肌の露出が少ないものを着用します。先日、安倍元首相の国葬に参列した政治学者の三浦瑠麗さんが着用していた喪服が話題になっています。シースルー等の透ける素材を使用した喪服やお洒落すぎる喪服はマナー違反と思われる場合があるため注意が必要です。
・黒のストッキング
・光沢や装飾のない黒のパンプス
ヒールの高さは3〜5cm程度のもの。サンダルやバックストラップは不可。

髪型のマナー

お葬式では焼香等でお辞儀をすることがあります。その時に髪が顔にかかる長さの場合は、スタイリングを工夫する(整髪料の使いすぎに注意)、耳より低い位置で一つに結ぶ、ピンで留めるなどして、顔にかからないようにします。 使用するヘアゴムやヘアピンは、黒で装飾や光沢のないものを選びましょう。

明るすぎる髪色はマナー違反となるため、染めるかヘアカラースプレーを使って暗い色にすることをおすすめします。

持ち物のマナー

バッグ

男性がバッグを持つ場合、光沢や装飾のない黒のクラッチバッグが適しています。革製品は殺生を連想させるため、布製のものを選ぶと良いでしょう。女性は光沢や装飾のない、黒い布製のハンドバッグを持つことが一般的です。荷物が多い場合は葬儀用のサブバッグを使用します。

ハンカチ

黒か白の無地のハンカチを持参します。控えめなレースや生地と同色の刺繍があしらわれているハンカチでも問題ありません。

傘が必要な場合は、黒、紺、濃いグレーといった地味な色の傘、もしくはビニール傘を持参します。

数珠(仏教式の場合)

数珠は個人の持ち物なので、貸し借りすることは避けましょう。 時間に余裕があれば、ホームセンターや100円ショップで購入することも可能です。

香典マナー

参列する葬儀の宗派がわかる場合、その宗派に適した表書きの香典袋を準備しましょう。宗派がわからない場合は「御香料」と書かれた香典袋を使用すると良いでしょう。表書きの下には参列者の氏名をフルネームで記入します。記入欄があれば金額、住所、氏名を記入し、記入欄が無ければ中袋表面に金額を、裏面に住所と氏名を記入します。

香典として新札をお渡しすることはマナー違反となりますが、古すぎるお札も失礼になるので注意しましょう。

香典袋はそのまま持ち歩かずに、袱紗(ふくさ:祝儀袋や不祝儀袋を包むための布)に包んで持参しましょう。葬儀などの弔事では黒・グレー・紺など寒色系のものを、結婚式などの慶事では赤・ピンク・オレンジなど暖色系のものを使いますが、紫の袱紗は弔事・慶事どちらにも使えるため、ひとつ持っておくと便利です。

まとめ

・「お通夜」は故人を「夜通し」見守っていたことから、その名前が付いたといわれています。その名の通り、以前は夜通し行われていましたが、現在では1〜2時間程度で終了する「通夜式」が主流です。

・お通夜を夜通し行っていた理由の一つには、仏教の教えがあります。仏教では、冥土を旅する故人の唯一の食料が「線香の香り」だとされているため、線香を絶やさないようにお通夜を行っていました。

・現在通夜式では、遺族も参列者も喪服を着用することが一般的となっています。男性は喪服に白無地のシャツ、黒無地のネクタイと靴下、飾りや光沢のない黒の紐靴(本革または合皮)を、女性は肌の露出が少ない喪服、黒のストッキング、光沢や装飾のない黒のパンプス
(ヒールの高さは3〜5cm程度)のものを身につけます。

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