葬儀の知恵袋(コラム)

2020年3月31日(火)

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【生活保護受給者】の葬儀

今回は生活保護受給者の葬儀についてお話します。

 

生活保護を受けている方が亡くなられた際にお葬式費用が給付されることをご存知の方も多いと思います。しかしながら、生活保護受給者全てが葬儀の給付金が受けられるとは限らず、受けられたとしても僧侶を呼ぶことが難しくなるなど、お葬式の内容にも多くの制約があります。

■生活保護法について

それでは昭和25年に制定された日本の法律。「生活保護法」にある【葬祭扶助】についてはどのように書かれているか見てみましょう。

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(葬祭扶助)

第十八条 葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。

一 検案

二 死体の運搬

三 火葬又は埋葬

四 納骨その他葬祭のために必要なもの

2 左に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。

一 被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。

二 死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。

第四章 保護の機関及び実施

************************************(厚生労働省ホームページより引用)

 

少々わかりにくいですね。

冒頭にある18条4項「その他葬祭のために必要なもの」という表現があいまいですが、「検案・死体の運搬・火葬又は埋葬・その他葬祭にために必要なもの」が対象というのは記載のとおりです。裏を返せば「これら以外をしてはいけません」という意味合いにもなります。

 

 

■葬祭扶助(葬儀費用の支給)の条件

生活保護受給者すべてが葬祭扶助を受けられると思っている方も多いのですが、そうでない場合もあるので注意が必要です。

 

 ・生活保護受給者でも葬祭扶助が出ない場合があります

生活保護を受けている方は「世帯」として受けています。

その世帯の中で、お葬式をあげる場合は葬祭扶助の対象になります。

 

例として生活保護の受給を受けている世帯に夫婦二人が住んでいたとします。先にご主人が亡くなった場合は、喪主の奥様に「葬祭扶助」が支給されます。

そのあとに一人になった奥様が亡くなった場合、生活保護を受けていない別世帯の家族が喪主となり葬儀をあげることがあります。その際は、葬祭扶助の対象にならないことが多いのです。。

 

 

 ・区市町村など自治体よって判断がちがう?

葬祭扶助は日本の法律に制定されてはいますが、前述のとおり「とてもあいまい」なので、自治体によって解釈が違うようです。例えばある自治体では、親族に支払い能力があると、葬祭扶助の対象にならない場合もあります。

藤岡市では、「世帯」としての支給の考えで判断されているようです。

 

 

 ・事前に相談しましょう!

自治体によって判断が変わるとはとても不安ですね。

ある自治体では、役所内でも担当者によっても違う事もあるくらいです。

 

担当のケースワーカーや民生委員の方がわからない場合は、市役所の「生活保護」担当窓口に問合せが可能です。
休日に不幸があり担当者に連絡がつかなく「葬祭扶助の対象かどうかがわからない」とお困りのご遺族と一緒に頭を抱えた経験が、何度もあります。ご自身の世帯が葬祭扶助の対象になるかならないか、事前相談することを強くおススメします。

 

 

■葬祭扶助の支給額

それでは葬祭扶助申請を行い受理された場合での支給額はどのようになっているのでしょうか?

 

 ・級地制度により変わります。

級地制度とは、地域ごとの立地条件の違いにより生活保護の基準に反映する事をいいます。

つまり地方よりも都会の家賃が高いなど、生活水準や物価の差を等級で分けて支給額を決めるのです。

細かく分けると6つの区分に分けられますが、葬祭扶助では、一級地・二級地と三級地の二つの区分に分かれます。

 

一級地・二級地=206,000円

三級地=180,300円
(2019年1月現在)

藤岡市は180,300円が支給されます。

 

 ・葬祭扶助金額は変わります。

物価などの状況によりほぼ毎年見直され変更されています。

 

■福祉葬のルール

それでは葬祭扶助を利用した場合では、どのようなルールがあるのでしょうか?

支給額に沿ってお葬式の内容についてお話します。

 

 ・福祉葬・民生葬

生活保護受給者が決められた支給額(葬祭扶助)内において執り行われるお葬式を【福祉葬】や【民生葬】と一般的に呼ばれています。

 

 ・葬祭扶助の支給額内でのお葬式

基本的に葬儀社からの請求が支給額を超えないようにしなければなりません。

「祭壇のお花を多くすると支給額が超えるので【不足分は自分たちで払う】」という事は認められていません。厳しい自治体では1円でも超過する場合は、支給自体は一切出しませんというところもあります。そのため、「祭壇を立派にしたい。」「食事を会葬者に振舞いたい」など禁止事項とされています。

 

尚、支給を受けるには事前の申請を行い、葬儀終了後に葬儀社が発行した請求書が証明として役所への提出で葬祭扶助の支給が確定されます。

 

 ・お寺さんに来てもらう事は可能?

一般的に葬儀費用と寺院へのお礼を合わせて葬祭扶助内の範囲内であれば問題ないとしている自治体もありますが、寺院のお礼により葬祭扶助範囲を超えてしまう事もあるので難しいですが、ご相談ください。

 

 

・香典をもらう事は避けましょう。

生活保護受給者が香典をいただいた場合は、【香典収入】は収入として扱われ、役所に申告が必要です。その際は、次回の支給額から引かれることになります。

 

 

まとめ

・生活保護受給者全てに葬祭扶助(葬儀費用の支給)が適用されるとはかぎりません。

日曜や祝日に家族が突然亡くなり、ケースワーカーや役所の担当者に相談ができない自治体も多く、万が一の際に備えての事前の相談をおススメします。

 

・葬祭扶助支給額は地域によって決められ、支給額より葬儀代金が高いことはゆるされず、超過分を遺族側で払う事も禁止された自治体も多いのです。

 

・基本的なルールは生活保護法によって決まっていますが、細かい判断基準は自治体によって違う場合も多くあり、担当のケースワーカーや役所の担当窓口で確認をしましょう。

 

・ベルセレモニーでは葬祭扶助の範囲内でご葬儀を行う事が可能です。

支給対象の判断以外のご相談やアドバイスは承る事が可能です。ご不明な方はご連絡をお待ちしております。

ベルセレモニー総合電話窓口 0120-474-645

 

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